VW T6.1 キャンピングカーで始める車旅

カリフォルニアオーシャン購入の記録 

キャンピングカーの水周り 清水タンクの給水

 キャンピングカーに乗る前に水周りについて調べてみた。ありがたい事に車内で水道を使うことが出来るのだが、そのためには清水タンクに給水するところから始まる。ではまず清水タンクには何を給水したらよいのだろうか。

給水に適した水

・水道水

 水道水は塩素で消毒された水であるが、殺菌したあとも水中に残る塩素があり、それを残留塩素という。残留塩素濃度は下限値が定められている。つまり、ある一定の濃度以上残っていなければならない。残留塩素があることで、殺菌作用が保たれることが期待されている。水道水が加熱されると塩素は揮発してなくなってしまうので、カビや細菌の発生リスクがあがる。煮沸後の水道水を給水する人はいないと思うが、水道水はそのまま給水しないといけない。

給水に適さない水

・井戸水

・湧水

・ミネラルウォーター 

 井戸水からは一般細菌が検出される。一般細菌とはここでは土壌に含まれる種々雑多の細菌に由来し、いわゆる病気を引き起こす汚染とは直接関係ないといわれている。しかし、周囲の土壌によっては、動物の糞便がしみこみ大腸菌が検出されることもある。これを飲水すると下痢を起こすこともある。下痢程度ですめばよいが、不適切な井戸水を飲料水として使用した結果、O157の集団感染がおきた幼稚園の報告などもある。水質検査をした井戸水かどうかを外出先で確認することは困難なので、旅行地では安易に井戸水を給水しないほうが良いと考える。(日本の水道法では、井戸水の水質検査の義務がないようだ。)

 湧水にも井戸水同様に水道法が適応されないため、水質検査をされていない水が多い。日本の名水百選から食中毒を発症しているケースもある。野生動物の糞便の影響を受け様々な細菌や原虫、寄生虫のリスクがある。

例:病原性大腸菌     病原大腸菌の中には,毒素を産生し出血性腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすものがあり、O157 ・O26・O111 などが挙げられる。 

  クリプトポリジウム  健全な免疫を持つ成人には下痢程度ですむ原虫だが、赤ちゃんなどの免疫が弱いものの口に触れるには不適切である。

  エキノコッカス    北海道に多い。キツネや野ねずみの糞便に汚染された水から、エキノコッカスの卵を人が摂取し、主に肝臓に寄生する。

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 どうしてもこれらの水を使用し、口に入れる使い方をするのなら(飲水や歯磨きなど)煮沸して使用するほうが安全である。名水といわれる「美味しい水」は「健康な水」とも言えないことを知った。調べなければ車旅の最中にうっかり湧水で給水してしまうところだった。

 最後はミネラルウォーターについて。わざわざこれをタンクに給水することはないだろう。日本のミネラルウォーターの多くは殺菌のため加熱処理がされており、安全な水である。しかし、タンクやモーター、給水管が無菌であることはなく、水道水のように殺菌効果のある塩素が入っていないミネラルウォーターでは、タンク内の細菌が増殖してしまうリスクがあがるのだ。

 清水タンクを飲水に使用する予定はないが、清潔を保つために手を洗う水が細菌まみれであったら残念である。水の扱いについて学習を続けることにする。

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